マイクロ波水分計について
水分計の種類
大きく分けて電気の特性を利用するものと光を利用するものに別れ、電気を利用するものは電気抵抗値や電気容量を測定して水分に置き換え、光を利用するものは光の吸収度合いを調べます。水分計の特徴の比較
水分計の 種類 |
長所 | 短所 |
電気抵抗式 | 比重に影響されにくい 比重、厚みの設定が要らない |
針を刺す必要あり。測定物を傷める 刺さない測定方法の場合、表面状態に影響される |
電気容量式 | 表面から内部まで最大数センチ測定可能 ハンディー式など小型化しやすい 測定物を傷めない |
比重、厚みを設定する必要あり 表面部を中心に測定し、中心部分は正確に計れない |
マイクロ波式 | 中心部まで含めた内部水分を測定可能 ラインで全量測定可能 測定が最も高速 |
比重、厚みを設定する必要あり 装置が大型(インライン型) |
近赤外(光)式 | 表面のみを測定し、簡単に据付可能 薄い材料に有効 可能測定物を傷めない |
表面のみ数百マイクロメートル(1ミリ以下)以下しか測定できない 色に影響される場合がある |
中性子 | 内部水分を含めた測定が可能 | 発生器に寿命がある(3年弱で半分しか出なくなる為 数年で要交換)。受信器が非常に薄い膜で出来ている為衝撃に弱い。測定が遅い。中性子はβ線より遮蔽が難しく、β線より被爆することを防止するのが難しい。放射線の為、無知識では危険性がある。 |
乾燥重量法 | 乾燥させて重量より求めるため 比較的正確 |
測定に時間がかかり、ラインでは測定できない 試料を切り取る必要あり 厳密に言うと水以外の揮発成分まで蒸発する場合、揮発成分の補正を行う必要がある |
化学測定法 カールフッシャー |
水のみの正確な測定が可能 | 測定に時間がかかり、ラインでは測定できない 試料を切り取る必要あり 試薬が高価 大量の測定は難しい |
時間測定型と減衰型の違い
水分計の 種類 |
新型 | 減衰型(従来型) |
測定方式 | マイクロ波の時間を測定 | マイクロ波の吸収(減衰)量を測定 |
精度 | 減衰型に比べ、精度が格段に良い | 近赤外水分計と比べ、 ほぼ同程度の精度であることが多い |
大きさ | 減衰型に比べ、センサ、 制御盤とも多少大きい。 センサは大きさ別に5種類 |
制御盤、センサとも1人で運べるサイズ センサは大きさ別に2種類 |
価格 | 減衰型に比べ、多少高価 | 他の形式と比べて、同価格 |
測定範囲 | 厚み0.1mm〜500mm | 厚み3mm~150mm |
水分測定範囲(%) | 1%(厚み0.2mm)~60%(厚み500mm) | 2%(厚み3mm)~30%(厚み150mm) |